潜在看護師の実態

厚生労働省によると、日本に71万人も存在するといわれている潜在看護師。潜在看護師とは、看護師の国家資格を保有していながら、何らかの理由があり看護の現場から離れてしまっている看護師のことだ。厚生労働省の統計によれば、毎年2万5000人もの看護師が離職しているようである。厚生労働省が行った調査で、現在就業していない看護師等が直近の就業先を離職した理由として多く挙げられたのが、妊娠や出産、子育てや、自身や家族の身体的・精神的健康の悪化、時間外労働の多さ、医療事故への不安、職場での人間関係の悪化だった。この調査から、労働環境に不満を感じている看護師が多いという事実が明らかになったのだ。また、最新の医療技術によって生じうる医療事故に不信感を持つ人も少なからずいるということも判明した。

看護師を含めた看護職員は、2025年には約200万人の需要があると見込まれている。しかし、このように看護師の需要は増加傾向にあるにもかかわらず、潜在看護師の存在によって表面上は看護師不足の状態が続いている。この状況を打開するために、多くの医療機関や行政では潜在看護師の復職サポート制度やバックアップ制度を設けはじめている。また、積極的にブランクがある看護師を受け入れたり、ブランクを有する看護師のためにセミナーや勉強会を開催する医療機関も増えているようだ。だから、看護師が職場に復帰しやすくなっているのは事実である。